うつ病患者増加の背景
うつ病患者の数は年々増加している。
平成25年に厚生労働省が行った調査では、女性なら5人に1人、男性では10人に1人、日本人口の全体で換算すると、うつ病患者の人数は合計”100万人以上”にも達するという調査結果が出ている。
今回はそんなうつ病患者の増加の背景と対処法に迫っていく。
うつ病とは?
まず、”うつ病”とは、精神的なストレスや、身体的ストレスが重なることで脳の機能障害に陥り脳機能が著しく低下してしまう病のこと。
主な症状は、めまい、睡眠障害、思考力低下、集中力低下、感情障害、意欲障害など様々な症状が現れます。
うつ病は症状が様々なため、精神科や精神神経科の専門医でも判断が難しい病気とされています。
また、患者本人でも心の不調は自覚するのが難しいこともあり、うつ病と認識できないケースが多いようです。
日本ではうつ病患者の人数が多いことから”こころの風邪”とも言われている。
うつ病が最も多い年代
2017年に日本生産性本部がうつ病が最も多い年代を調査したところ40代が最も多いことが判明した。(うつ病患者全体の35%)
なぜ40代にうつ病患者が多いのか、日本生産性本部の分析によると、30代から40代に上がるつれて一般職から管理職に昇級するケースが多く、責任と権限がアンバランスになり、それがストレスとなっていると推測している。
そんな中10代〜20代のうつ病患者が2004年まで全体の10%程だったのに対し2017年には全体の27.9%まで増加しているという調査結果がでた。
10〜20代にうつ病が増加した理由
日本生産性本部の説明によると、「若手に対しても求める仕事の質が高くなり、業務量も増えていることが要因」また、「インターネットの普及により生産性や効率性が強く求められるようになり、教育に時間をかけている余裕がなくなってしまい、その即戦力化が精神的負担を増加させてしまっているのではないか」と述べている。
さらにこの10代〜20代に最近増加してきているのが”新型うつ病”だ。
新型うつ病とは、趣味や遊びは楽しめても、仕事になると元気が出なくなり、出勤時などで頭痛や、吐き気などの症状がある。
学生から社会人になり、大人になりきれていない若者が些細なことで発症するケースが多い。
うつ病の対処法
うつ病は、比較的真面目な正確に人に多いと判明しており、溜まったストレスを上手く発散できない傾向にあります。
なので、原因によって生じたストレスを解消するために、物事を楽観的に捉えたり、友人や家族に愚痴を聞いてもらうなど気晴らしをすることだ。
また、運動は非常に効果的とされており、発汗を伴う息切れが起こるような激しい運動ではなく、週に1度1時間ほどのウォーキングなどで十分予防できるとされている。
以上のようなうつ病を巡る状況の変化を踏まえて,近年日本では、うつ病対策の重要性を広く国民に訴えることが重要であると考え,2010年にうつ病対策ワーキンググループなどを発足するなど、うつ病患者増加を止める活動を行っている。